
適性検査が出来たわけ。
そもそも採用を目的とした試験は古代中国の昔に「科挙」という形で存在していました。それが20世紀になり心理学の発達とともに、学力だけでなく「人間性」も科学的な統計から導き出される方法が確立していきました。初めは教育現場で活用されていたものが、1970年代以降企業も取り入れはじめました。
そして、バブル崩壊以降即戦力として新卒学生を採用する流れの中で、彼らのポテンシャル能力を測るために開発されたのが「適性検査」です。
ちなみに「適正検査」というのは適性検査の誤字ですのでお間違えの無いように。
適性検査の使われ方とは。
現在、適性検査の市場は70-80億円の規模があると言います。その大半が新卒の採用選考での利用で、学生一人当たり16000円以上の費用がかけられています。
では、なぜ企業はそんなにも費用を出すのでしょうか。それは、時期を集中させた新卒一括採用という日本特有の事情によるものです。人気があり倍率が高い企業は、それだけ人事担当に負担がかかります。しかも、時間もかけることができません。時間をかければより質の高い選考ができますが、それは企業にとっても受検者にとっても大きなストレスになります。
そこで、初期選考の振るい落としとしてのツールとして検査が利用されるのです。
適性検査と受検者の関係。
適性検査とは、企業にとって受検者が自分たちの組織にどれだけの適性があるのか判断するツールです。その一方で受検者たちのものでもあります。
真剣に誠実に受けたのに採用されなかったというのは、もちろんどこかで何かが足りなかったという理由もあるでしょう。しかし、こう考えることもできます。
採用されなかったのは、その企業が自分には合わなかったということなのです。
適性検査は、相性の検査でもあります。受検者はいろいろな企業を受けて、相性のいい企業を見つけるための検査でもあるわけです。
適性検査には、100ほどの性格検査が存在しますが、その検査に正直に答えないとその検査で嘘をついていることがばれてしまうので気を付けてください。