意外と知られていない印刷技術をその基礎から知ろう

凸版印刷が最初に発明された

凸版印刷は、印判(印章)が起源ですが、最初は凸版形式ではありませんでした。凸版印刷は、版面に凹凸を作って、凸部にだけインクが付着するようにして、紙に押し付け、凹部の模様を転写する技法です。ですが、西洋でも東洋でも、初期の印判は、そのように使われていませんでした。西洋では、封蝋(ふうろう)という形式であり、蜜蝋に松脂などを混ぜたものを熱で溶かし、印判の凹凸を鋳型のように紙に転写するもので、立体的なレリーフが紙の上に出来上がります。東洋(中国)では、封泥と呼ばれるもので、粘土がインク代わりになるもので、これもレリーフとして出来上がります。ただし、紙に押印するものではなく、秘密文書を2枚の板に挟んで紐でくくり、その結び目に封泥を押す使い方です。印判が、朱肉などのインクを用い、凸版印刷の様式で押印されるようになったのは、その後のことです。版面が大型化し、本格的な凸版印刷になったのは、さらにその後のことです。

凹版印刷の起源は意外なものだった

凹版印刷は、西洋で発明されました。発明したのは、甲冑を作る金属彫刻細工師です。西洋の甲冑は全金属製ですが、その表面には細い線で装飾模様が刻まれていました。金属彫刻細工師は、自分の考案した模様を記録に残すため、彫刻線の凹部に着色剤を詰め、凸部の着色剤は布で拭き取り、紙に転写したのです。この技術が、凹版印刷の一種である銅版画に応用されるようになりました。凹版を作る手法は、最初は彫刻刀で金属面を削る方式でしたが、その後、防食膜を全面に塗布し、模様の部分だけを針などで防食膜を除去し、腐食液に漬けて凹部を形成する方式に発展します。さらにその後、凹版印刷の一種であるグラビア印刷の発明となります。

平版印刷が現在の主流技法となる

水と油とが互いに反発する性質を利用する印刷法が平版印刷です。インクは、油性インクです。平版印刷の版材質は、最初のうちは石材で、石版印刷と呼ばれます。その後、金属板(アルミニウム)でも、同じ効果が出せるように改良されました。平版では、版面に凹凸がなく、文字や模様の部分が親油性かつ疎水性の性質を持つように化学的に処理されています。それ以外の部分は、親油性かつ親水性になっています。印刷時には、まず水で版面全体を濡らします。そうすると、水を受け付けて水の皮膜を作る部分と、水を弾いて版材質を露出させる部分とに分かれます。その直後、油性インクを全面に塗布すれば、油性インクを受け付けて付着する部分と、水によって油脂インクが弾かれて付着しない部分とに分かれます。それから、その状態を紙に転写するのです。現在の印刷の大部分が、この平版印刷です。

封筒印刷とは、封筒に社名などを印刷することです。ビジネス用として大量に必要となった時に、印刷会社に依頼して、短時間で品質の良い封筒を得ることができます。